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相続贈与
生前贈与の注意点!娘さんのマンション購入を援助するとき、名義は義理の息子さんでいいの?
親が子供の住宅購入資金の援助をする場合の贈与税非課税制度
昨今、不動産、特にマンションの価格は、2013年頃から首都圏で上昇が続いています。
(国土交通省発表:令和2年12月公表・不動産価格指数)
新築マンションともなると、都心で5000万円以下で探すのは難しいのが現状です。
そのため、両親や祖父母等の親族から資金援助を受けて住宅を購入するケースも多いようです。
両親や祖父母から住宅取得資金の援助を受ける場合、一定の要件を満たせば、
限度額の範囲で贈与税は非課税となります。
(国税庁HP:直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税)
この非課税制度を利用すれば、限度額の範囲内であれば贈与税を払わずに、マンション購入資金の贈与を受けることができます。
贈与税の非課税限度額は、下記のとおりです。
住宅購入契約締結日が令和2年4月1日~令和3年3月31日の場合
省エネ等住宅:1500万円 省エネ等住宅以外:1000万円
住宅購入契約締結日が令和3年4月1日~令和3年12月31日の場合
省エネ等住宅:1200万円 省エネ等住宅以外:700万円
娘に資金を援助したのに、名義は義理の息子?
親から子供へ住宅購入資金を贈与するにあたり、上記の贈与税非課税制度を利用する場合の注意点があります。
注意点は、「住宅の名義を誰の名義にするか?」という点です。
例えば、2000万円のマンションを購入するにあたり、妻の父親から500万円を住宅購入資金として贈与してもらったとしましょう。
残りの1500万円は夫が住宅ローンを組みます。
この場合、購入するマンションの名義を夫単有にしてしまうと、住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度は利用できなくなってしまいます。
なぜなら、妻の父親から義理の息子への住宅取得資金贈与は非課税制度の対象外となるからです。
両親や祖父母等の直系尊属からの贈与は、実の子供である娘さん(妻)への贈与である必要があるのです。
贈与を受けた住宅取得資金については実際にマンション購入資金として使う必要があるので、妻も持分を取得する必要があります。
このケースでは、住宅ローンを組んだ夫と、住宅取得資金の贈与を受けた妻の共有名義にする必要があります。
住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度の要件
住宅取得資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度については、
要件が細かく決まっているため、上記の注意点以外にも条件に該当するかどうか、必ず事前にチェックしましょう。
非課税となるための要件の概要は、下記のとおりです。
1.父母、祖父母等の直系尊属からの贈与であること
2.贈与を受けた年に20歳以上であること
3.贈与を受けた年の所得が2000万円以下であること
4.配偶者や親族等の特別の関係にある人から取得した住宅ではないこと
5.贈与を受けた年の翌年3月15日までに援助を受けた資金を住宅取得資金に充てること
6.贈与を受けたときに日本国内に住所があること
7.贈与を受けた年の翌年3月15日までに購入した住宅に居住し、または居住することが確実と見込まれること
8.購入する物件の登記上の床面積が50㎡以上240㎡以下であり、2分の1以上は自己居住用スペースであること
9.鉄筋コンクリート造のマンションの場合は築25年以内、木造の場合は築20年以内であること
※耐震性が証明できれば例外あり
また、要件にすべて該当する場合でも、必ず贈与税の申告は必要になります。
必要に応じて、税務署や税理士に相談してみましょう。
まとめ
住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度は、両親や祖父母の生前対策としてもよく利用される制度です。
要件をチェックして、正しく活用していきましょう。
なお、上記の事例ですでに誤って義理の息子名義にしてしまったという方がいらっしゃいましたら、場合によっては修正が可能なケースもございますので、ぜひご相談ください。
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